新年度から下呂市の全6中学校は、部活動を含めた生徒の最終下校時刻を16時30分に統一する。教員の働き方改革のために長時間勤務を減らす取り組みだが、一つの自治体の中学校全てが一斉に統一することは珍しい。全国的にも注目を集めるだろう。

きっかけは、2020年度の教頭会での議論。働き方改革を具体化させていく中で、最大のネックになっていた「部活動の在り方」を見直すべきだという意見がまとまった。これを受けて2021年に校長会で会議し、3月中旬〜10月中旬(夏季)は17時半〜18時、10月中旬〜3月中旬(冬季)は16時半としていた下校時間を通年で冬季に合わせると決定した。

新年度からの実施を前に、すでに試験的に導入している下呂中学校の教員からは「心に余裕ができ、子どもたちに向き合いやすくなった」との声も挙がっている。同中学校では朝が早い教員たちの定時は16時半となっていたが、それ以降も部活動や行事の練習があり、生徒が下校した後に授業準備や会議を行うため残業は月45時間超の教員もいた。学校側は「コロナ禍で休校などが続き、どう授業時間を確保するか考えた。その結果から16時半下校も可能だと分かった」と話しており、コロナ禍の経験をもとに抜本的見直しに乗り出した形だ。

具体的な内容としては、週3〜4日の部活動の時間は減らさないようにし、6限の授業をやめて部活動に充てる。その分の授業は、行事のやり方を見直すなどして生まれた時間に行っていくようだ。同中の陸上部顧問は「夏は午後六時ごろまで部活動をした後に、授業の準備や行事の打ち合わせだった。16時半の下校ならリフレッシュの時間も取れ、毎朝、子どもたちに疲れた顔を見せず元気に『おはよう』と言える」と歓迎。更に「生徒も自分で考えながら、空いた時間を勉強や部活の自主練などに使えるようになる」と話している。

一方、16時半の下校を実現するために不可欠だったのが地域の協力だ。市の教育委員会は学校で長時間待機しなくて済むよう、多くの生徒が利用しているスクールバスの運行時刻を新年度から下校時間に合わせ、市コミュニティバスの時刻も変更するよう関係機関に申し入れた。時代と共に教員の環境にも変化が生まれつつあるのではないだろうか。

 

【参考箇所】

・下呂の全6中学校で働き方改革 下校を午後4時半に統一https://www.chunichi.co.jp/article/410816 

・令和4年4月1日より市内のバス時刻表が変わります!https://www.city.gero.lg.jp/soshiki/22/16790.html