6月2日の参院本会議にて、改正地方自治法が成立した。施行は平成32年4月1日となる。大きな改正点は下記のとおりとなる。

・地方公共団体の財務に関する事務等の適正な管理及び執行を確保するための方針の策定

・監査制度の充実強化

・決算不認定の場合における地方公共団体の長から議会への報告規定の整備

・地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し

 

上記のうち、「地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し」について見てみると、地方自治法第243条の2が新たに規定される。(現在の第243条の2は、「第243条の2の2」に繰り下がる。)

 

第243条の2 普通地方公共団体は、条例で、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会の委員若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員(略)の当該普通地方公共団体に対する損害を賠償する責任を、普通地方公共団体の長等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、普通地方公共団体の長等が賠償の責任を負う額から、普通地方公共団体の長等の職責その他の事情を考慮して政令で定める基準を参酌して、政令で定める額以上で当該条例で定める額を控除して得た額について免れさせる旨を定めることができる。

2 普通地方公共団体の議会は、前項の条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。

 

例えば公金の支出について、首長や職員が住民に訴えられ、多額の損害賠償が発生した場合、現行法では「善意でかつ重大な過失がない」場合も、個人の負担となる可能性があった。この改正法により、条例で減免措置等が規定できるようになった。今後各自治体において、条例制定の動きが出てくることが予想される。

 

例規整備の観点から言えば、現行法の「第243条の2」が「第243条の2の2」に条ズレすることから、各自治体の例規等で引用がある場合は、その部分についても改正が必要だ。各自治体の「監査委員条例」や「水道事業の設置等に関する条例」、「財務規則」等の例規で引用されているようなので、併せて点検したい。